若者を中心に日本でも大流行中の動画共有スマートフォンアプリ「Tik Tok」をアメリカ政府はアクセスの制限をすることを検討していることを報告しました。
また、TikTokは香港市場からの撤退を決定しました。一体なぜこの様な事態になったのか見ていきましょう。
TikTokは日本では2017年10月にサービスが提供され、2018年ごろから若者を中心に流行し現在では950万人を超える国内ユーザーが存在しているショートムービー動画共有アプリです。
サービス内容としては15秒という短い動画を投稿、閲覧するというもので音源を共有して同じダンスやコメディ動画を投稿するものです。TikTok上で大量のフォロワーを獲得し、インフルエンサーとして活動しているユーザーもいます。
企業もTikTokの人気に目をつけ広告や、案件を流している様で若者人気が計り知れないサービスとなっています。
アメリカ政府が中国製の短編動画アプリ「TikTok(ティックトック)」の禁止を検討していることが明らかにな利ました。。マイク・ポンペオ国務長官が7月6日、Foxニュースの取材に答たところによると「アプリを使うことで中国政府に利用者の個人情報やデータが渡る恐れがある」としています。
この他にもTikTokも含めた中国企業製のアプリの使用禁止の検討を発表しました。取材では「人々に中国製アプリのダウンロードを勧めるか」と尋ねらたところ「中国共産党に個人情報を渡したい人にはお勧めだ」とも述べています。
アメリカでは去年11月、学生らが「動画を撮影し投稿する間にTikTokが個人情報を中国の2つのサーバーに転送」と主張し、運営会社のByteDanceを相手取り集団訴訟を起こしています。
この様な流れは他国でも起きています。新型コロナウイルスの発生源調査をめぐって中国と対立しているオーストラリアは、TikTokが中国政府とユーザーの情報を共有している可能性があるとして禁止を検討しています。EUでも、個人情報保護の面から懸念の声が上がっており調査を始めています。
TikTok禁止は、中国との国境紛争を抱えるインドが最初です。インド情報技術省は6月29日、「インドの防衛、国家の安全保障、治安を害する活動に従事している」として、TikTokを含む59のスマホアプリを禁止すると発表しました。
人口13億人を抱える大市場でもあるインドは北部・カシミール地方で領有権を争っている中国軍と衝突しており、インド国内で中国に反発する動きが高まっています。
TikTokは中国で香港特別行政区国家安全維持法(国家安全維持法)が施行されたことに伴って、香港市場からの撤退を決定しました。
TikTokは中国企業のByteDanceによって運営されていますが、中国本土からはアクセス不可能とないます。代わりに抖音(Douyin)という別サービスが提供されています。
ただし、香港ではTikTokが小規模に展開され、アクセスも可能となっていたのですが、海外とのやり取りが可能になるので2020年6月30日に成立して即施行された国家安全維持法に抵触する恐れがあった様でやむなく撤退というわけです。
国家安全維持法には「国家からの離脱、転覆、組織化、テロ活動の実行、および外国との共謀」が犯罪になるとして明記されていて、この罪に問われた者は最悪の場合、終身刑に処されてしまいます。
この国家安全維持法に対して、海外企業であるGoogleやFacebook、Twitterは反発しているのですが、中国企業が運営しているTikTokは政府への反発がほぼ不可能ですので、結果として香港からの事業撤退をせざるを得ない状態になってしまったのです。
日本ではTikTokと提携する自治体も存在しており、若者に人気なSNSという認識が強くあります。情報が抜かれているという事実は確認できていないものの、中国では昔から情報を抜くツールというものが存在しています。
スマートフォンには電話帳の連絡先はもちろん、銀行口座の情報なども存在しており抜かれてしまうと不味い情報がたくさん入っているツールでもあります。今後、TikTokの安全性が証明されなければ世界での利用が禁止されてしまいかねません。