MicrosoftとSlackの競争、展開はどうなる?


現在ビジネスシーンで定着しているビジネスチャットツールの「Slack」ですが、これに対抗して2年前からMicrosoftは「Microsoft Teams」というコラボレーションツールで対抗しています。どうやらMicrosoftは社内でSlackの使用を禁止しているとの報道もあり、本格的にユーザーの奪い合いが行われています。

 

どちらも大企業などでも扱われるようになってきて耳にしたことはあるけどよく知らないという人も多いでしょう。そこで、この記事では両サービスの詳細と二つの対立ついて紹介していきます。

Microsoft Teamsとは


Microsoft Teamsはユーザーがどこにいようと共同作業を可能にするツールです。こちらはMicrosoftがビジネス向けに行っている「Office 365」というサブスクリプションの一部として提供されているものです。

 

このツールを使うことで、通話、テキストチャット、ファイル交換、デスクトップ共有、スケジュール設定が可能であり、「Office 365」のプランの一部に入っているため、プランに加入していれば追加料金を必要とせず利用する事ができます。

 

ビジネスシーンにおいて最も効果的と言われているのが、Microsoftが提供している「Word」「Excel」「PowerPoint」などのアプリやサービスに直接アクセスでき、共同編集が簡単に行える点です。

 

実際、仕事で使うツールを全てMicrosoftに統一する事ができれば管理が容易にもなりますし、ツール間の密接な連携が可能になるのでより効率的な仕事が可能になるでしょう。すでに「Office 365」を導入している企業でしたら余計なコストも手間もかからず、すぐに使えるため「Slack」から移行している動きもみられています。

 

2019年7月にはDAU(日間アクティブユーザー数)が1300万人、週間アクティブユーザーは1900万人もいると発表しています。

Slackとは?


ここ数年でかなりの勢いで拡大し続けるビジネスコラボレーションハブの「Slack」。これはあらゆるコミュニケーションやツールを一元化するという意味でコラボレーションハブと名付けられています。

 

Slackはメンバーが自然に集まり、一緒に働くというスタイルをサポートするために設計されたもので、オンラインでも対面と同じような連携を取れるように作られたものです。

 

Slackでは無料のフリープラン、有料のスタンダード(¥850/月)、プラス(¥1,600/月)、Enterprise Grid(¥ask)の4つのプランがあり、用途によって料金を抑えるともできます。

 

2013年8月にアメリカでリリースされ、2019年9月にはDAU(日間アクティブユーザー数)が1200万人を突破する人気なサービスとなっています。前年比37%という驚異の成長率でいまだシェアを広げており、有料プランの利用数は600万件を超えるほどです。

MicrosoftとSlackの長期戦


先日IPOしたSlackはスタートアップ世界のテクノロジースタックを深く掘り下げる事で莫大な売り上げを立てることに成功しました。そして、Slackはエンタープライズを相手にする事で成功を果たしたのですが、このエンタープライズの生産性ソフトウェアはMicrosoftのフィールドです。

 

MicrosoftはSlackの急成長を目の当たりにしていますが、買収はせずに競合することを決意しました。そして米国時間1月17日朝、MicrosoftはTeams初となるグローバルな広告キャンペーンを発表しました。

 

TeamsとSlackはユーザーの数の発表でも争っています。つい先日MicrosoftはTeamsのDAU(日間アクティブユーザー数)が2000万人いると発表しています。

 

一方Slackは最後に発表したのは1200万人というデータで人数は負けていますが、「Microsoftの2000万人のうちどれだけが本当にアクティブユーザーか」と批判したのです。

 

Slackは上場した時の株価は30ドル代半ばだったのですが、現在は20ドル前半へと下がってしまっています。ただ、これはSlackが株式市場からマイナス評価を受けているという訳ではなく、上場初期の値付けを間違えたようです。

 

現に投資家たちは優秀企業としてSlackを値付けしているようです。

最後に


圧倒的ブランド力を誇るMicrosoftと新進気鋭のスタートアップ企業のSlackですが、今後もまだまだDAUの数字を競ったり知名度を競ったりと長い競争が続きそうです。

 

日本の企業でも徐々にこの両者のどちらかを導入している企業も増えてきていたり、SlackからTeamsに移行、もしくはその逆が行われているのを耳にします。

 

今後決着がつくとしたらどちらに軍配が上がるのか楽しみです。