「出前館」売上高過去最高も!経費がかさみ41億円の最終赤字になってしまう


料理の宅配代行サービスを手掛ける「出前館」が15日発表した2020年8月期連結決算は、売上高が前期比54・6%増の103億円で、過去最高となったみたいです。新型コロナウイルスの影響で外出自粛やテレワークが広がり、加盟店数や宅配の注文数が大幅に増えたと伝えております。

出前館とは?

「出前館(でまえかん)」は、出前に対応する店舗にアプリやウェブで注文がおこなえるサービスで、宅配・デリバリー店舗数で全国No.1を誇ります。便利なだけでなく、注文するとTポイントが貯まったり、キャッシュレスで簡単に決済ができたりといったメリットも。

「出前館」は年間オーダー数3000万件以上、加盟店舗数も2万1450店舗以上を有し、国内登録店舗数ナンバーワンを誇るデリバリーサービスです。ピザや寿司、カレー、中華、お弁当、ケータリング、お酒などを店舗から簡単に注文やデリバリーができます。

LINEグループとの資本業務提携を結んだ株式会社出前館が運営をおこなっており、iOS版は2010年に、Android版は2011年に専用アプリがリリースされました。

注文数は1.3倍に!


新型コロナの影響で外食を控え、料理のデリバリーサービスを利用する人が増えたために、利用者数が前の年より31%も増えて、およそ392万人となりまして、売り上げは54%増えて103億円余りとなりました!注文数は1,3倍の約3700万件で、宅配の代行手数料収入は前期の3億円から7倍超の23億円に急増したみたいです。加盟店数は1.6倍の約3.3万店となっていて、サービス利用料収入も1,5倍の57億円となりました。

なぜ赤字に??


一方、この分野ではアメリカ発のウーバーイーツや、中国の滴滴などが相次いで参入していて、競争が激化しています。出前館では、競争に打ち勝つために配送拠点を増やしたり、LINEとの業務提携でシステム投資が増加したりしたこと、さらに、他社との差別化をはかるため、広告を積極的に展開したことなどから収益を圧迫し、営業利益は26億円の赤字に(前期は3900万円の赤字)、最終利益は41億円の赤字(同1億円の赤字)と赤字幅が拡大してしまいました。

21年8月期も営業赤字を見込むようですが、この日公表した中期経営計画では、23年8月期に売上高を9倍の970億円に増やして、営業黒字に転換する目標を掲げています。

「LINE」との連携を強化


3月に資本提携した無料通信アプリ「LINE」(東京)との連携を強化するため、本社を12月に大阪市から東京都渋谷区に移転することも発表されています。

オンライン会見した藤井英雄社長


オンラインで記者会見した藤井英雄社長は「3年で加盟店10万店を達成したい」と述べました。また、

「新型コロナの影響が収束しても、デリバリーの需要は伸びていくと思う。赤字ではあるが、それは先行投資によるものだ」

とも語っています。

藤井英雄社長の経歴

代表取締役社長 藤井 英雄
2006年  6月 楽天株式会社入社
2011年  5月 同社 企画部マーチャント戦略グループマネージャー
2012年  5月 同社 企画部フード・ドリンク戦略グループマネージャー
2014年  3月 同社 国際部国際調査戦略グループマネージャー
2015年  5月 楽天マート株式会社 取締役
2016年10月 LINE株式会社入社
2017年  5月 同社 執行役員
2017年11月 当社 取締役
2018年  8月 株式会社ベンチャーリパブリック 社外取締役(現任)
2019年  2月 LINE株式会社 O2Oカンパニー CEO
2020年  6月 当社 代表取締役社長(現任)