新型コロナウイルスのワクチン1億回分は6月末に調達の見込み

河野大臣は、EUの承認が得られれば、新型コロナウイルスワクチンおよそ1億回分を、6月末までに調達できる見通しと表明。日本は報告数が多いとの声もあるアナフィラキシーに関し、専門部会が分析を行いました。

緊急事態宣言が再延長されてから5日目。東京では感染が収まるどころか、再拡大する恐れが指摘されています。

コロナの再拡大の恐れ

12日の東京の感染者は先週の金曜日より3人多い304人。前の週を上回るのは、これで4日連続となっています。12日夜、小池都知事は・・・・

「リバウンド、変異株など、さまざまな要素の懸念もございます。とことんステイホーム、とことんテレワークと」

こうした中、厚労省はフィリピンから先月入国した60代の男性が新たな変異ウイルスに感染していたと発表しました。この“フィリピン型”の変異ウイルス、日本で広がっているイギリス型同様、感染力が強い恐れがあります。フィリピン以外での確認は日本が初めてで、成田空港での検疫をきっかけに感染が判明。男性は無症状で現在入院中だということです。

「変異株のモニタリングを今以上に、かなり強力に進めていく必要がある」(新型コロナ分科会 尾身 茂 会長)

一方、新型コロナワクチンについて、河野大臣は、EU=ヨーロッパ連合の承認が得られれば、6月末までにおよそ1億回分の供給を見込んでいることを明らかにしました。

 「5月10日の週には480万人、全ての医療従事者2回分の配布を完了することができそう」(河野太郎 行革相)

医療従事者向けのワクチン接種については、5月10日の週に2回目分の配布が完了する見通しを示し、高齢者およそ3600万人分についても6月末までに2回接種できるワクチンを届けると述べました。

供給のカギを握るEUは11日、域内へのワクチンの納入が遅れているとして、輸出規制を6月末まで延長すると発表。ワクチンの囲い込みにつながりかねないとの懸念がありますが・・・
「外務省がEU本部ならびにベルギー政府とも日々やっておりますので、そこはきちんと出してもらえるように頑張っていきたい」(河野太郎 行革相)

ワクチンの副作用に心配の声

12日夜、河野大臣は全国知事会と意見交換を行いました。知事からは副反応を心配する声が・・・

「高齢者の皆さんがワクチン接種に関して非常に関心を示しておられる。特にアナフィラキシーをはじめとする副反応、さまざまな情報提供を強く求められているところ」(全国知事会会長 飯泉嘉門 徳島県知事)

その副反応を分析する専門部会が12日、厚労省で開かれました。国内では11日までに医療従事者およそ18万人がワクチン接種していますが、重いアレルギー反応、アナフィラキシーの疑いとして37例の報告があり、そのほとんどが女性でした。

 「いずれも適切な医療処置が行われるなどのことにより、軽快・回復をしている。現場の方々にしっかり対応していただけたことが功を奏したと考えている」(ワクチン副反応検討部会 森尾友宏 部会長)

日本はアナフィラキシーの報告数が多いとの指摘もあります。10万回接種当たりで見るとアメリカはおよそ0.5件、しかし、日本は20件と40倍も多いのです。この点について、専門部会は・・・
「欧米で公表されている報告件数と比較して、数値としては多くなっているが、日本の現在の件数は医療機関からの報告数をそのまま計上させていただいているもの」(ワクチン副反応検討部会 森尾友宏 部会長)

国によって報告すべき基準にばらつきがあるため、現時点では比較が難しいといいます。

厚労省は今月9日までに報告された17例を国際的な基準で評価し直しました。結果、7例をアナフィラキシーと判断し、残る10例は副反応があるもののアナフィラキシーではないケースと判断しました。

また、ワクチンを接種した2万人を対象に行った健康調査では1回目の接種以降、およそ3%の人に37.5度以上の発熱がありました。接種した翌日に痛みがあった人は90%以上になりました。

「筋肉痛みたいな肩の痛みと、私の場合は1回目のとき、熱が出たが、1日で落ち着いた。私のときは38℃後半」(2回目の接種を受けた人)

専門部会は今後、海外のケースと比較しながら、さらに分析を進める考えを示しています。