2018年6月29日に成立した「働き方改革法案」ですが、 2019年4月1日をもって、ついに改正法が適用開始となりました。
しかし、実際に現場からの声を聞いたり、TwitterなどのSNSを見ていると、働き方改革が逆に労働者を働きづらくしているという批判もたくさんあるようです。
時に「働き方改革法案」ならぬ、「働き方改革“改悪”」と揶揄されることがある今回の改正法ですが、その実態は一体どのようなものになっているのでしょうか。
「働き方改革」とは、長時間労働問題や、女性・高齢者の仕事がないという問題を抱える日本社会において、多様な働き方を可能にする社会を目指すべく掲げられた改革の事です。
労働時間を短縮し、より効率的に事業をおこなうためにも、柔軟な企業体制の変化が求められています。
2019年4月1日から本格的に始動していますが、なかなか全企業には浸透していないというのが実情です。
そこで、一般社会人100人にアンケートを行ない、そのリアルを徹底的にリサーチしてみましたので、ぜひご覧ください。
上司の許可をとるのにいちいち机を回ってハンコをもらう必要がある
(32歳・女性)
仕事にいちいち許可が必要で、ちょっとしたことでも上司に報告して書類を書かないといけないというケースが非常に多かったです。
毎週同じ話をする朝礼と大声での点呼
(24歳・男性)
こんな前時代的な風習を行なっている会社がまだあるということに大変驚きました。まさに時代に逆行しているといっても過言ではありません。
データを共有するのに上司がCDROM使いだしたこと。デザイン系でデータのやり取りは必須なのにやばい
(23歳・女性)
今どきCDROMなんてあるんですね……。一太郎シリーズなど、古いソフトを未だに現役バリバリで使っているなど、古いツールを使い続けているケースもほかにたくさん見られました。
女性のドレスコードで、靴下がNGなので冬にストッキングにパンプスしか履けなくて辛い(通勤時はブーツで、会社に着いたらパンプスに履き替えています)
(25歳・女性)
接客業で統一感が求められるのならまだしも、オフィスワークでドレスコードを指定される必要性があるのかは甚だ疑問です。
社内チャットが導入されて嬉しかったのか、少しづつ違うメンバーで構成されたグループを作りすぎて訳が分からなくなってる。そのせいで対応できない年配の方も出てきて結局意味ない
(28歳・女性)
便利なチャット機能を社内に導入しようという気概は大変すばらしいですが、逆にわかりづらくなっているという本末転倒な事態もたくさんあるようです。
フリーデスク制度が導入されたが、サイドデスクがなくなったため書類をいちいちロッカーに取りに行かないといけなくなった
(35歳)・男性
外国の企業などでよくみられるフリーデスク制度。しかし形だけマネをしようとして逆に作業効率を落としてしまっているというケースもあるようです。
データで送った資料などの修正がなぜか紙ベースで戻ってくる。そしてそれを再度データに入力しなおして提出しないといけない。なんで?
(31歳・男性)
データだけでなく必ず紙でチェックしなければならないという悩みがとても多く寄せられました。紙でもデータでもどちらでもいいですが、統一はしてほしいですよね。
ペーパーレス推進と言いつつ、プロジェクターやノートPCの至急が十分じゃないから結局紙が必要。ペーパーレス推進の話を紙の資料でしてて笑った
(27歳)・女性
ペーパーレス化が進まないのは、機材の問題もあるようです。そこに割く予算がないということなのでしょうか。まるでコントのような話でです。
会議の書類の決定稿までの下書き(編集稿)を何度も刷り、上司に見せなくてはならない
(33歳・男性)
上司の確認をしなければいけないならGoogleドキュメントの共有などで行えばいいと思うのですが……。それこそ資源の無駄ですね。
書類が通るか通らないかの基準が部署によって、その中でも人によって異なる。ので何度も再提出させられる時がある。
(20歳)・男性
明確な判断基準がなく書類がたらいまわしにされるというパターンです。このような体制では社内連携なんかまったく取れないですよね。
Excelの画面を印刷して1セルずつ確認する作業がある。気が狂いそうになる。
(27歳・女性)
数字のチェックなどでしょうか?もしそうだとしたら途方もない作業ですね。システムを組んでミスをなくすような工夫をしようという考えすら上層部にはないのでしょう。
朝礼でスピーチしないといけない
(22歳・男性)
朝礼はまだわからなくもないですが、小学生でもあるまいし必ずスピーチをしなければならないのはしんどいですよね。
新人は面白いことをやる会がある
(22歳・男性)
こんなものはただのいじめです。今どきこのような体育会系のノリがのこったままの企業が今後生き残っていけるとは思えませんね。
パワーランチと呼んでいたが、食事をとりながらミーティング。上層部ならまだしも末端は関係ない話ばかり。1人で食わせてくれ。
(29歳・男性)
ミーティングくらい食後に行えばいいのに、食事の時間すら自由にさせてくれない。そんなに時間がないほど切羽詰まった企業なのでしょうか。
実際に話を聞けば聞くほど、働き方改革にリーチしていくどころか古い風習が残りすぎて働きづらいと感じている労働者がたくさんいるようです。
このような企業体質を変えるには、まだまだ時間がかかりそうですね。