日経平均終値、3年4か月ぶりの1万6千円台。今後の動きは?

本日日経平均終値が3年4か月ぶりの1万6千円台へと突入しました。前日比で284円98銭安の1万6726円55銭で終え、投資家はもちろん日本市場全体を震撼させました。

新型コロナウイルス問題を巡った米国の大型経済対策が注目され、18日はじめは買いが優勢だった日経平均。何故前日比安になってしまったのでしょうか。

また注目の今後の動きについて、当サイト独自の見解を解説していきます。

連動した「サーキットブレーカー」とは?

18日午前は買い優勢で始まった日経平均株価。米国の大型経済対策の注目度に比例し、ここから値を持ち直すかと期待された一日でした。

しかし、18日午後には一変。売り優勢となり終値は前日比284円98銭安となり、頭を抱えた方も多いでしょう。

18日午後に何があったのでしょうか?

その答えは先物取引市場で取引を中断する「サーキットブレーカー」が発動したことにあります。18日午後の時間外取引で米株価指数先物が大幅安となり、同日夜の米株式相場への警戒感が上昇。

結果、先物主導の売りが膨らみ、先物取引ではサーキットブレーカーが発動し、18日午前は買い優勢だった日経平均も前日比安での終値を記録することとなりました。

先物取引のサーキットブレーカーにより、日経平均の値動きに影響が大きいソフトバンクGファストリも大幅安となったことも重なり、この2社のみで日経平均は約189円下落しました。

※サーキットブレーカーとは

競争市場では、例えば売りが売りを呼んで下落が止まらなくなるようなことがある。サーキットブレーカー制度が設けられた市場では、基準値よりも一定の幅以上の取引値が付くことなどの予め定められた基準が満たされると、サーキットブレーカーが「発動」となり、取引所は当該市場で取引(約定)の成立を一定期間発生させない状態となる。当制度は、投資家に冷静になってもらう目的で設けられた制度である

1987年10月19日に、米国市場最大規模の暴落となった「ブラックマンデー」をきっかけに、ニューヨーク証券取引所で始まった。このときは1日で株価が22パーセントも値下がりしたため、行き過ぎた下落を防ごうと考え出された。日米欧や米国などの先進国の株式市場は一般的に導入している

日本におけるサーキットブレーカー制度は、一部の先物・オプション市場にのみ存在し、現物株式は対象外であるとする見解があるが、現物株式においても定義上サーキットブレーカーに当てはまる制度は存在する

出典:Wikipediaより

日本における日計平均の影響力

ところで日本における日経平均の影響力についてみなさんはご存知でしょうか。

日本では日経平均の持つ影響力は重要視されていますが、その日経平均に影響を及ぼすものが先物取引になります。

今回のように日経平均自体に良好なニュースが流れていたとしても、先物取引に対して大きなネガティブニュースが流れてしまうと、連動して下落する傾向にあります。

18日に起きたサーキットブレーカー程の大きな動きを作るネガティブニュースはあまりありませんが、今後日経平均を軸に投資を行う場合は、合わせて先物取引の動きも見ておくことが良いと言えます。

また日経平均の中でも大きな影響力の割合を占めている企業が、先にも挙げたソフトバンクGやファストリといった企業になります。18日には、この2社のみで284円98銭中189円の下落を占めました。約66%の割合です。

この日、東証一部の値下がり銘柄数は1298銘柄と全体の6割を占めました。その中でもソフトバンクGとファストリの2社のみでその6割を占める程の影響力を持ちます。

また残り4割は値上がりが835銘柄、変わらずが33銘柄でしたが、いずれも大きな動きとはなりませんでした。

今後の日経平均の動きは?

18日日経平均は先物主導の売りの膨らみにより大きな下落へとつながりましたが、今後はどうでしょうか?

18日午前の買い主導となった米国の大型経済対策が鎮火してしまったことにより、一部の大型投資家などは金融政策による解決は難しいと見ていることでしょう。

数日は世界経済の立て直しに金融政策が立てられ、多少の値動きはあるかと思われますが全体の買い主導とまでは行かないと考えられます。

また連騰など明るい話題も裏には公的資金の買い支えも見え隠れしています。

こうした買い支えは一見するとこれからの値動きに明るいものが見えたように思えますが、実際には公的資金にも限度があります。

下支えに回せる資金が底を尽きない内に金融対策他、経済効果の期待できる施策を打ち出せるかどうか。

今後の動きで重視すべきはこうした公的資金による下支えと共に施策によってTOPIX全体の持ち直しができるかどうかでしょう。

※TOPIXとは

東証株価指数(とうしょうかぶかしすう、英語: Tokyo stock price index, TOPIX(トピックス))とは、東京証券取引所第一部上場株式銘柄を対象として、同取引所が1秒毎に、算出・公表している株価指数である。日経平均株価と共に日本株のベンチマークとして普及している。

出典:Wikipediaより