本日30日、日経平均は1万9084円まで反落し、終値304円安をつけました。
18日の3年4か月ぶりの1万6千円台へと突入した時に比べ、その値を持ち直してきた日経平均でしたが、ここに来て何故反落を始めたのでしょうか。
また今後の日経平均にどのような動きが考えられるのでしょうか。
今回は当サイト独自の見解を含めて解説します。
30日に304円安をつけた日経平均。その陰に何があったのでしょうか。
実はこの日、米国で大きな動きがありました。
27日に米株式市場でダウ工業株30種平均が大幅安となった流れを日経平均も引き継いでしまいましたが、日銀の株価指数連動型上場投資信託(ETF)買い観測などによって、徐々にその流れを取り戻しつつありました。
しかし、トランプ米大統領によって4月12日までの解除を目指していた米国行動制限が4月末まで延長となりました。
このことによる世界経済の停滞を懸念した投資家が増え、日経平均へも影響を与えてしまいました。
米国市場は日経平均にも大きな影響を及ぼしますが、今回は米国市場に加えて米国行動制限の延長が大きなネガティブニュースとなりました。
18日以降、徐々にその値を戻しつつあった日経平均に対して売り優勢を煽るものでした。
4月12日までの解除を目指していた米国行動制限ですが、前述の通り4月末までの延長となりました。
30日午後には、その値をより下げるかと思われる程の大きなニュースとなりましたが、その実、午後の下げ幅は縮小しました。
この裏には午前での株式相場の大幅安を受けて、午後には日銀のETF買い入れや、年金などの現物株の配当再投資に絡む先物買いの影響が大きかったと思われます。
しかし、同日の終値は業種別では食料品や電気ガス業を除いてほぼ全ての東証一部が全面安となり、値下がり銘柄は1620銘柄と全体の75%でした。
これは18日に起きた3年4か月ぶりの日経平均1万6千円台時の1298銘柄60%よりも大きい数です。
このことからも米国行動制限への危機感が大きいことがうかがえます。
米国行動制限によって、輸出を主にする自動車産業などの業界では、生産ラインの休止を伸ばすなどの対応を取ることが予測されます。
これによって、より経済活動を圧迫し、更に下請けの中小企業が倒産するなどの問題にも繋がる可能性が高いです。
このことから、米国行動制限が出された今は動くべきではないと言えるでしょう。
上場投資信託(じょうじょうとうししんたく)とは、金融商品取引所で取引される投資信託の事[1]。ETF(英語: Exchange-Traded Fund)、上場投信という略称がよく用いられる。一般の投資信託は金銭の出入りにより解約設定されるが、ETFは投信会社指定の現物金融商品による。一般の投資信託は組み入れ資産だけを証券化するのに対して、ETFは投資家の拠出する現物まで証券化する。ミクロ経済への効果として、機動的にポートフォリオの構築と変更ができるようになる。仮想通貨とならび、世界金融危機の避難先として活用されている。取引手法はコストも含めて株式同様である。ユーロクリアなどの証券集中保管機関が振替を担い、現物はカストディアンが保管することで、技術面での流動性が担保されている。
出典:Wikipediaより
30日に大幅安となった原因の米国行動制限がどれほどの影響力を持つものだったかは理解できたかと思います。
では、今後の日経平均はどのような推移を受けると考えられるでしょうか?
前述では輸出を主にする業界での懸念を挙げましたが、日経平均主要銘柄には自動車産業含めた輸出を主にする業界は少ないです。
特に18日の大幅安時に注目されたソフトバンクGやファストリといった、2社で下落幅の66%を占めるような事態にはなり得ないと思われます。
TOPIXの1620銘柄が全面安と聞くとその影響は大きく思えますが、下落幅で言えば18日よりも縮小しつつあります。
値を戻す波が来ている中、米国行動制限ほどの大きなネガティブニュースに対しても下落幅を抑えられたのは市場が戻りつつあると考えてよいでしょう。
もちろん今後の情報や新型コロナウイルスの自粛による影響力は無視できませんが、一時1万6千円台まで落ち込んだ日経平均は今後徐々に戻していくと考えられます。